ASIBA ATLAS 2026 Report #1

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本稿は2026年8月1日に開催した「ASIBA ATLAS 2026」にて、代表理事・二瓶が行ったピッチをもとに、その内容を記事として再構成したものです。(スライド:二瓶雄太、文:鏡理吾)
本日はお越しいただきありがとうございます。今回は皆さんに、ASIBAのブランドがリニューアルしたこと、そしてここに至るまでの経緯についてご報告できればと思います。
会場に入るタイミングで、皆さんに4つの「アジェンダ」が書かれたカードをお渡ししました。「遊びと人間」「公共と市民」「技術と職人」「暫定と生活者」。これらの言葉を、ASIBAが今後重点的に取り組む「アジェンダ」として掲げたことが、このリブランディングの大きなポイントです。

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そもそもなぜこうしたアジェンダを掲げることになったのか。そこにはいくつかの理由があります。
一つは、プロジェクトの数が増え、組織としてのまとまりが見えにくくなってきたこと。そしてASIBA自体も主体的な意思や姿勢を示していくべきではないかという気づきが背景にあります。
以前はASIBAが無色透明なプラットフォームとなり、そこに集まるプレイヤー自身が意思を持つことにこそ価値があると考えていました。しかし活動を続けていく中で、私たち自身も主体性を持ち、向かう先となる北極星を示すことに意味があるということが分かってきました。
また、複数のプロジェクトが交差する中で、新しい文脈や断面をつくる必要性も強く感じています。一つひとつのプロジェクトが魅力的であることはもちろんですが、ASIBAがそこに関わる意味はそれぞれの立ち位置や意味付けを編集していくことにあると考えています。
そして最後に、ただ面白い活動を続けるだけではなく、より強度のある問いから探求を始めること。それこそがASIBAらしいプロジェクトのあり方なのではないかと考えています。
この説明だけではなかなか伝わりづらいと思うので、まずはASIBAが現在地に至るまでの物語を共有させてください。それを通して、なぜ今アジェンダというものにたどり着いたのか、その背景を少しでも理解していただければ嬉しいです。
ご存知の通り、ASIBAはインキュベーションプログラムから始まりました。
インキュベーションと言っても、初めはプロジェクトや仲間を集めて「一緒にやろう」と旗を振るところからのスタートでした。

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2期・3期と進むにつれてプロジェクト数が増え、プロジェクト自体の規模も徐々に大きくなってきました。「プロダクトをリリースしました」「自治体と共同でプロジェクトを始めました」「独立して起業しました」といったフェーズに進むプレイヤーも増えてきました。
プロジェクトの数が増えることで、新しい地平が見えてきます。複数のプロジェクトのコラボレーションから新たな場が生まれるようになってきました。

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一方で次第に、ただインキュベーションをするだけでは越えられない壁にも当たるようになりました。制作する力を補うため、ASIBA自体がプロダクションとなり、プロデュースやメディア発信、企業パートナーとの協働を通して、プレイヤーの飛躍を支援できるような体制をつくってきました。

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さらに、個人のまなざしからクリエイティブな取り組みを始めるだけではなく、それをよりパブリックな視点へとつなげていく必要性も感じるようになりました。行政・自治体との共同事業を立ち上げ、取り組みを都市スケールにまで広げることで、より公共的な意義のあるプロジェクトが生まれるようになってきました。

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新規性の強いプロジェクトだからこそ、既存のファイナンスモデルでは資金調達が難しい場合があります。デザイナー・プロダクション・クライアントが共同で知財を持ち、レベニューシェアを行う新たな資金スキームを実験的に運用しています。

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「製作委員会方式」によるレベニューシェアのスキームの実証を行っている
さらに、これだけメンバーやプロジェクトが増えてくると、「集まる場所が欲しい」という声も上がるようになりました。再開発前のビルを暫定利用し、亀戸にレジデンス型のオフィス拠点をオープンしました。拠点ができれば出会いが生まれ、その出会いから新しいチームが生まれていく。そういった、場所を起点とした好循環も生まれています。

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ここまで活動が広がってくると、ASIBAの取り組みやシステムにどのような価値があるのか、客観的に評価する必要性も出てきました。アカデミアと連携した研究活動が始まり、先日、ASIBAでの取り組みを題材とした初めての論文を発表しました。
このように3年間をかけて、ASIBAに関わるプロジェクトやメンバーは増え続けてきました。いくつもの主体が集まり、それぞれが実践を通して探求していく。そうしたエコシステムそのものが、今のASIBAの現在地です。

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そして、無数に増えてきたプロジェクトの中から、私たちが集中して扱う断面を決める必要が出てきました。5月ごろから社内で「半公開編集会議」を開き、ASIBAらしさを定義するための切り口を議論してきました。みんなで文献を読み、文章を書く中で生まれた4つの言葉が、まさに今日皆さんにお渡ししているアジェンダです。
このようなASIBAの現在地と、そこに至るまでの過程を視覚的に表現するものとしてキービジュアルを制作しました。プロジェクトやメンバーの一つひとつがブロックとなり、その集合体としてASIBAが存在する。そして、そのブロックのいくつかを切り取った断面として、4つのアジェンダが構成されていく。こうしたコンセプトをもとに、リサーチブックやWebサイトの制作も進めてきました。

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ASIBAはこれまで、ネットワークやプラットフォーム、コミュニティといった言葉で表現されてきました。今回のリブランディングでも、当初はそうした言葉を起点に、無限に広がる平面のようなものとしてASIBAを捉えようとしました。しかし改めて考えてみると、ASIBAは決してフラットな存在ではありません。自分たちの色や意思まで含めて表現するために、ASIBAに最もフィットする言葉は立体的・造形的・有機的な「エコ・システム」だと考えています。
今回のリブランディングは、今後私たち自身が意思を持ったエコシステムとして、アジェンダを軸に進んでいくという、一つの宣言として捉えていただければ嬉しいです。

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Credit
Incubation 1stCreative Incubation 1stRakugo Space Ochiba
CREATIVE-WORK
Wataru Nakayama