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【助成採択】公共R不動産・ASIBA・ReLinkの共同研究プロジェクトがトヨタ財団「特定課題 人口減少と日本社会」に採択されました!

【助成採択】公共R不動産・ASIBA・ReLinkの共同研究プロジェクトがトヨタ財団「特定課題 人口減少と日本社会」に採択されました!

公共R不動産と一般社団法人ASIBAと合同会社ReLinkが共同で進める研究プロジェクトとして「人口減少社会と公共施設の『クリエイティブな解体』:未来の風景を探る」が、公益財団法人トヨタ財団による助成プログラム「2025 人口減少と日本社会」に採択されました。

本プログラムは、今後も続く人口減少時代を生きる若者や次世代の人材を「未来の担い手」と捉え、彼/彼女らが主体性を発揮し、これまでの様々な対応・対策の効果や意義等を掘り下げてレビューし、それに基づいて人口減少の緩和、人口減少下における日本社会のサステナビリティに関して考える取り組みに助成を行うものです。

審査では、人口減少のフェーズにおいて、地方自治体にとって負担の大きい公共施設の「解体」を、ポジティブな価値へ転換しようと試みる点への独自性が評価されたほか、法制度上の制約や運営上の課題を明らかにすることで知見を一般化し、政策や実務へ反映するなど、公共性を備えたリサーチプロジェクトとしての今後の発展に期待が寄せられました。

プロジェクト概要

■採択プロジェクト
人口減少社会と公共施設の『クリエイティブな解体』:未来の風景を探る

■企画概要
人口減少と老朽化の進行により、全国の公共施設は今後20年間で大量解体・大量廃棄の局面を迎える。にもかかわらず、公共施設の『解体』を政策的・体系的に捉える議論はほとんど存在しない。限られた予算の中で解体が後回しとなり、公的資金を投じながら大量の廃棄物を生む未来しか描けていない現状がある。
本プロジェクトは、公共施設の『解体』を、単なる撤去ではなく「まち」に新しい循環を生み出す方策と捉え直す『クリエイティブな解体』という仮説のもと、未来創造型の『解体』と考えられる先行的な取り組みを領域横断的に幅広くリサーチし、現行制度の構造的なボトルネックの分析を行う。これにより、人口減少への消極的な対応に留まらない、国土や地域の再編と地域循環産業の創造の可能性、公共政策として実装する糸口、未来のありたい姿・暮らしの風景を探求する。
建築・都市計画・法律・経済など領域横断的、理論と実践を往復できる地に足のついた未来志向のチーム編成で取り組み、Web記事・トークセッション・書籍化等を通じて、具体的な社会実装を促すムーブメントへと展開していく。

■メンバー *( )内は本プロジェクトでの役割
【公共R不動産】
矢ヶ部慎一(プロジェクトディレクター)
馬場正尊 (プロジェクトアドバイザー)
飯石藍(メディアコミュニケーション兼リサーチ)
鎌田芙実 (プロジェクトマネジメントサポート兼リサーチ)
川口義洋(リサーチ・分析……公共施設・行政現場)
宮本恭嗣(リサーチ・分析……公共施設・公民連携)
松田東子(リサーチ・分析……市民参加・ビジョン)
【東京都立大学】
讃岐亮(リサーチ・分析……公共施設・市民協働)
【一般社団法人 ASIBA】
二瓶雄太(リサーチ・分析……建築・資源循環)
【合同会社 ReLink】
本多栄亮(リサーチ・分析……建築・資源循環)

ASIBAからのコメント

ASIBAは、2026年度の重点分野として「解体と暫定利用」を掲げています。本研究プロジェクトでは、解体や暫定利用の現場で積み重ねられてきた実践知を体系的に整理し、運用可能な知見として提示し、新たな制度設計や政策提言へとつなげていきたいと考えています。

また、ReLink・板橋区と協働して進めている高島平の廃校活用プロジェクトのように、ASIBAはこれまで公共的な主体とクリエイティブなスタートアップとの連携を主導してきました。その中で見えてきたのは、実践だけを先行させても社会やマーケット側が育たなければ前に進めないという現実です。研究と実践を往復させながら両輪で回すことではじめて、クリエイティブな事業モデルや、この領域で挑戦するアントレプレナーが生まれる土壌ができる——そうした思いが、今回の共同研究の出発点にあります。

参考:アートで繋ぐ、解体目前の小学校の記憶 ── 解築停留所 @高島第七小学校

ReLinkからのコメント

ReLinkは、建築ストックの『解体』というネガティブな局面を、地域資源の循環を促す新たな産業の起点に変えることを目指しています。

これまで私たちは、解体現場から発生する素材の価値を再定義し、地域社会で再び命を吹き込むプロセスを実践してきました。しかし、一つの建築プロジェクト単体での解決には限界があります。解体現場を取り巻く制度的な壁や、資源が循環する市場の不在は、依然として現場の大きな障壁です。

今回の共同研究において、ReLinkは、解体される建物を資源として捉える視点を担います。素材がどのように解体され、どのような物語を持って次に継承されるのか。その実体験に基づいた技術やスキームを、研究を通じて『社会で運用可能な仕組み』へと翻訳したいと考えています。公共R不動産、ASIBAという視座の異なるパートナーと共に、個別の現場の知を広域的な価値へと繋ぎ、解体そのものが地域の誇りやワクワクを生む、そんな未来の風景を描くことを目指しています。