
【第一回実施報告】生き物の視点で考える都市デザイン入門 第一回KICKOFF|ASIBA
一般社団法人ASIBA(代表理事:二瓶雄太)は、日鉄興和不動産株式会社様、大成建設株式会社様との共催で、全四回からなる「生き物の視点で考える都市デザイン入門」を開講しています。
本noteは、9/11 (金) 15:00-18:00にて開催された、第一回KICKOFFイベントの実施報告です。 開始1時間前から予期せぬゲリラ豪雨に見舞われましたが、足元が悪いなか25名近くの参加者に来ていただきました。
※現在第二回~四回の参加者を募集しています。応募はこちらから
Poietica 奥田さんによるレクチャー
最初に、合同会社Poietica 共同代表/京都工芸繊維大学研究補助員の奥田宥聡さんをお招きして、KICK OFFトークセッションを行いました。
奥田さんは事前インタビューでも、複雑な生態システムを単純な問題に落とし込み、その解決策や最適化に終始してしまうことの限界に触れていました。客観的に問題を解くのではなく、自然に対する主観的な認識の仕方・関わり方を変える試み。奥田さんが実施するアプローチには、人間が自然に介入してきたことで起きている課題を捉え直し、そこに別の視点を提案する柔軟さがありました。
例えば、沿岸の温水化によって急増している「ガンガゼ」というウニに似た生物の事例では、人間にとっての害の排除だけに頼る姿勢に疑問を投げかけました。ガンガゼは鋭い毒棘を持ち、地域住民にとっては海の利用を妨げる厄介な存在である。従来は地域の人々が自主的に潰して駆除し、数を抑制する取り組みが続けられていました。 それに対して彼が提案したのは、ガンガゼを粉末化し石の形に固め、水切りに用いるプロダクトでした。一見するとガンガゼが海の資源に還されることには変わりないと思われますが、そこに「水切り」という儀式的な(または遊び的な)要素を挟むことで、人とガンガゼとの間に新しい関係性が芽生えるといいます。



対象敷地をフィールドワーク
イベント後半には天気が回復し、日鉄興和不動産の担当者様の解説のもと、本プログラムを通しての敷地である赤坂インターシティAirの緑道を歩きました。 かつて江戸時代の溜池の南東を縁取っていた形状に由来するというこの敷地は、大規模なビルが立ち並ぶ東京の中心地にも関わらず、5,000㎡を超える緑化空間を有しており、都市における生き物との共生を考えるうえで、大きな手掛かりとなる場所です。 都心の庭園としては珍しい植物が多く生息しており、中庭にはみかんが植えられていたりと、敷地におけるこれまでの取り組みや、魅力に気づかされました。


生き物の視点で都市を覗くための仕掛けとは?
敷地見学のあとは、本プログラムのテーマに即して最初のアイデア出し・ディスカッションを行いました。お題は、「他の生き物たちの視点から都市を覗くための仕組みやデザインとは?」 生物多様性やネイチャーポジティブなど、生き物に関わるどんな施策も、「人間と生き物では見え方や感じ方が違う」という根本的な前提を忘れてはなりません。

今回のディスカッションではそれを踏まえて、「生物と人間の見え方が違うという当たり前の事実に、都市の人々が目を向けるきっかけ」をデザインしてもらいました。
人間の経済活動がある以上、生物を考慮した取り組みをすることは難しいのではないか、という意見もある中で、人間の認識を変えていくことで、生物との関係性をアップデートする可能性について様々なアイデアが上がりました。





終わりに:第二回以降のプログラムのあらすじ
第一回のKICKOFFトークを踏まえ、続く第二回~第四回では、より具体の部分にスポットを当て、本格的なリサーチ・デザインに移っていきます。
#2 9月26日 15:00-18:00 Field Research / Collecting Data|敷地のコンテクストを探索する・リサーチする #3 10月9日 15:00-18:00 Collecting Data / Quick Prototyping|データや新たな知見を集積し、アイデアを素早く検証する #4 10月22日 15:00-18:00 Advancement|得られた知見を発展させ、具体のデザインへとつなげる

「生き物視点」を通じて認識をアップデートするところから始め、それを足掛かりに新たな設計やデザインを生み出すこと、また、定量的・客観的な表現手法にも頼りながら、都市に実装していく上での実効性を高めていくこと。 本プログラムでは、生物多様性やインクルーシブに着目したデザインのプロセスを、各分野の最先端のゲストに導かれながら、全4回のシリーズを通して体験することができます。第二回以降の応募はこちらから。