
Nessum Award JAPAN 2026 開催中!!-通信技術のプロとASIBAで「偶然性を生み出す」土壌をつくる-
IoT社会の「スキマ」を埋める技術とされる「Nessum」は、その独自の通信手法により、既存の技術では通信を届けることが難しかった様々な場面の社会の課題を解決してきました。
Nessumの更なる社会実装を生み出していくために、まだ見ぬ新たな活用方法を、業界・分野を問わずに自由な発想を募集するNessum Award JAPAN 2026をNessum Alianceや100BANCHと共に開催しております。
この記事では、私たちがASIBAとしてNessum Awardに関わる理由や、Nessum Awardを開催する社会的な意義について、ASIBA共同代表の森原にインタビューを行いました。
インタビュアー:
森原さんは「Nessum」という技術についてどんな印象を持っていますか?
森原:
Nessumの技術は非常にユニークで面白く、現在も世界中でユーザーを持つ日本が世界に誇れる技術です。同時に、話を聞いていくと、Nessumアライアンスで開発者の一人である古賀さんをはじめ、通信のプロフェッショナルの方たちの経験や想いが蓄積した、大切な技術であることも分かりました。
しかし、その真価や面白さを伝えようとすると、どうしても難しい専門用語が飛び交う技術的な話になりがちです。ASIBAは2年前からこの技術のリブランディングに携わっており、技術的な難解さを超えて、いかにしてより多くの人に愛され、活用される技術にできるか模索してきました。

インタビュアー:
その模索の中で気づいたポテンシャルや、現状の課題についてはどのように考えていますか?
森原:
NessumはすでにスマートメーターやHVAC (空調・熱源システム) などの領域で着実に導入が進んでおり、これらは技術やマーケティングの観点から「外さない」連続的な進化と言えるでしょう。
しかし、既存の延長線上だけで突き進むと、それ以外の大きなポテンシャルに気づけなかったり、市場やシェアが先細りしてしまったりする懸念があります。だからこそ、これまで「思いつかなかった使い方」を探索し、既存の枠組みを飛び越える「非連続な進化」を起こすことが有効ではないかと考えました。
アライアンス会員のメーカーの方々とお話しすると、彼らは発注者の要望といった「目的」に対して、最適な技術的手段、すなわち「解決策」を提示することについては、一流のプロフェッショナルだと痛感します。
一方で、目的自体を自ら設定する必要がある場面では、強みを発揮するのが難しいという声をよく聞きます。全員が豊かになることを目指して進むべき道がはっきりしていた高度経済成長期などとは異なり、現代では新しい問いを生み出し、前例のないゴールに向かって取り組んでいくようなデザイン的思考や、イノベーションの重要性が増していると思います。
インタビュアー:
Nessum Awardを通してそうしたイノベーションのきっかけを作りたいということですね。イノベーションを起こすにはどんな環境が必要だと思いますか?
森原:
Nessum自体も、もともとの技術は家庭用として開発され、のちに業務用や産業用といった新たな市場に転用した経緯があります。歴史的に見ても、例えば鉄とコンクリートが偶然出会うことで鉄筋コンクリートが生まれたように、イノベーションの多くは予期せぬトレンドや他技術と掛け合わさって生まれることが少なくありません。
【Nessumのキホン編①】Wi-Fiでもイーサネットでもない、Nessumが取り組むIoT社会に残された「スキマ」とは|お知らせ&イベント
今回のNessum Awardという挑戦は、そうした「偶然性をデザインする」ための環境づくりであると言えると思います。これまでNessumの名前も知らなかったような多種多様なバックグラウンドの方々に応募してもらうことで、我々にも思いつかなかった創発的なアイデアや、偶然の掛け合わせが生まれる場を作りたいです。
インタビュアー:
「自分なりの視点で考えたら、こんなことが出来るかも!」というワクワク感や情熱に満ちた参加者を、ASIBAとしてもサポートしたいですね。
森原:
そう思います。当然、イノベーションにはリスクや失敗がつきものです。特に現代の社会や企業形態は、確実性や効率を求めるあまり、失敗のリスクを伴う挑戦がしにくい構造になっていると感じます。アワードで生まれるアイデアだって、実際には法律的な規制や事業性の観点など、やっていくうちに様々な障壁や困難が生じるはずです。
だからといって諦めるのではなく、「うまくいくかわからないが、失敗を恐れずにまずはやってみる」という実験的な環境を用意することが不可欠です。実際、今回のアワードでは、なるべく挑戦の参入障壁を下げ、評価の場所を作ることで自身のアイデアを先へと進める土壌を提供しており、受賞者には実装・事業化に向けたNessumアライアンスとのネットワーキング・後援の機会も無料で提供しています。
インタビュアー:
森原さんとしてはどんな参加者に来てほしいですか?
参加者には「どうしてもこれを作りたい」という自身の提案に対する愛情を強く持って臨んでほしいですね。かつての日本には、業務時間外で好奇心のおもむくままにこっそり技術開発を行う、通称「闇研(ヤミケン)」というものが存在し、そこから世界を変えるような画期的な技術の数々が生み出されていたといいます。
逆に、今の社会は「健全さ」を重視しすぎるあまり、ルールの枠内でしかものづくりができない窮屈さがあるとも感じます。だから、参加者の方には強い当事者意識を持って、既存の社会構造を揺さぶるようなリーダーシップを発揮することを期待しています。