
未知の解放 -魔術された天球の音楽- |3期生紹介コラム#1|自由の魔女エルさん|ASIBA
ASIBAによるインキュベーション・プログラムの3期が4月から始まりました。このコラムではクリエイティブアントレプレナーの道を歩み始めた3期生を紹介していきます。今回は、ピュタゴラスによって提唱された「天球の音楽」という理論をアートとして現実に表現することを試みる自由の魔女エルさんに、その理論に夢中になったきっかけや、次に取り組んでいくことを聞きました。(聞き手・藍野友輝、文・安部道裕)
経歴 [ 自由の魔女エル ] Experimental Art(実験的芸術)で世界の未知を解放する、自由の魔女。 魔術のような文化に救われた経験から、未知が持つ希望の虜となり、世界各地の伝承や文化を絡めたアートを制作している。 地元・佐渡ヶ島では、アーシングヨガ体験やスピリチュアル×地域創生・観光事業の企画などを展開。 また、アパレルブランドとのコラボレーションなど、多角的な表現活動にも取り組んでいる。古代ギリシャの「天球の音楽理論」に着想を得たアートを通じて、世界に価値観のアップグレードを促す創作活動を展開している。
──初めにエルさんについて、そして今取り組んでいるプロジェクトについて教えてください 「自由の魔女エル」という名前で活動していて、魔女と名乗っている通り、魔術といった未知なる価値観・文化が好きです。今回のインキュベーションプログラムで取り組んでいるのもまさにそうで、古代ギリシャで提唱されていた「天球の音楽」という理論をアートとして現実に表現することを試みるプロジェクトです。天球の音楽とはピュタゴラスが提唱し始めたもので、天体の運行によって音が発生し、宇宙全体が音楽を奏でるという壮大で、ロマンチックな理論で、実際に音が聞こえるわけではありません。この詩的な理論を愛してしまった私は、この音が一体どんなものなのか実験してみています。
──愛が伝わってきます。未知なる価値観が好きになったきっかけは何だったのでしょうか 多くの人が恐れるものだと思いますが、私は幼いころ死や病気がとても怖かったんです。 トゥレット症候群という精神病になったりしてしまうほどだったのですが、そこで出会ったのが魔術でした。魔術っておとぎ話だと思うじゃないですか。でも、中世ヨーロッパでは実際に科学されていたり、歴史や文化があるものなんです。 それを知った時に「自分の悩みも魔術で解消できるのではないか」と思い、人生の希望になりました。 同時に、私たちは限られた生活圏の中でしか生きていないので、世界の端っこにあるような文化と触れ合う機会がないなと思ったんです。世界のいろいろな価値観をアートとして発信することで、私が経験したような希望をもらえる体験を多くの人に味わってもらえるのではないかと考え、この活動を始めました。

──インキュベーションプログラムも第3回を終えましたが、考え方が変わってきた部分はありますか 最初は天球の音楽という机上の空論を現実にした時の状態を検証することを目指していたのですが、もう少しアート全体を包括するような目標にした方が行動しやすいとなりました。今の目標は「天球の音楽の持つ魔術性を伝える」です。 私が伝えたいと思っているのは天球の音楽の魅力、つまりシニフィエですが、どうしても言葉といったシニフィアンを通してしか伝わりませんよね。でもシニフィエとシニフィアンはイコールにはなりません。そこは難しいけれども、シニフィエとシニフィアンを結び付ける物語が、嘘をついた物語というか薄っぺらい物語だとつまらないので、そこは気をつけながら作品を作って、天球の音楽の持つ魔術性を伝えようという目標に変わりました。
──次のアクションについて教えてください。 今まで4コマ漫画で自分の体験を具体化するということに取り組んでいました。思考実験ばかりしていたので、とにかく手を動かしてアウトプットします。 4コマ漫画で描いた想像を現実に起こしてみた時にどのような体験が得られるのか、検証していきたいと思います。
一般社団法人ASIBA [ ASIBA Creative Incubation 3rd ] ※こちらのインタビューは2025/5/13に実施されたものです。
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