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【第三回実施報告】生き物の視点で考える都市デザイン入門 #3|ASIBA

【第三回実施報告】生き物の視点で考える都市デザイン入門 #3|ASIBA

一般社団法人ASIBA(代表理事:二瓶雄太)は、日鉄興和不動産株式会社様、大成建設株式会社様との共催で、全四回からなる「生き物の視点で考える都市デザイン入門」を開講しています。

本noteは、10/9 (木) 15:00-18:00にて開催された、#3の実施報告です。

※現在第四回の参加者を募集しています。応募はこちらから

中條さんによるレクチャー

本プログラムの核である、「プロトタイピング」がなぜ必要なのかを理解するためには、事業開発の良く知られた手法である「リーンスタートアップ」の知見が役立つといいます。

・従来の方法 (ウォーターフォール型): 完璧な計画を立てて、長い時間をかけて開発して、いざリリースしてみても、誰も使わずに失敗、ということが良くあった ・Build-Measure-Learn (作って試して学ぶ) アイデアを考え、必要最小限の試作品を作ってまず顧客に使ってもらう、を繰り返すことで、顧客が本当に欲しいものができる

アイデアを温存するのではなく、むしろ完璧さを求めずに最速で実装し、短いサイクルで仮説検証を回すことが、スタートアップのビジネス戦略にとっては決定的に重要となるのです。

とはいえ、このプロトタイピングの活用先は、事業開発にとどまりません。 中條さんは東京大学の博士課程でインタラクションデザインを研究としており、これまでにも多くの取り組み・制作を行ってきました。

例えば、中條さんの作品の一つである「PaperDive」では、キーワードを入れると、論文の簡単なサマリーと関連する論文を数珠つなぎ的に生成してくれるアプリです。 先行研究のサーベイの新たな方法を提示したこのアプリも、「V0」というプロトタイピング用のツールを活用して作成しているといいます。

論文探索の新しい方法です。 1つの論文を起点に、次に読むべき論文をAIの1行要約付きで無限に発見できるツール「PaperDive」ができました! サーベイが爆速になります。研究者・大学院生に届け!!https://t.co/dVxFk3gbGq pic.twitter.com/YYk6fvUk8k

今回のイベントで使用した、このWebアプリケーション開発支援ツール「V0」では、専門的なプログラミング知識が無くても、日本語でアプリの構成やデザインをAIに指示するだけで、簡単にWebアプリを作ることができます。 レクチャー後半では、実際にV0を皆で使いながら、プロンプト (AIに指示をする文章) の与え方や、制作の基本的なスタンスについてインプットを行いました。

今回のアプリのテーマは「生物多様性」

さて、こうしたアプリ開発ツールを用いて、今回参加者の方に取り組んでもらったお題は、「都市における生き物と人間が、認知の違い (ギャップ) を超えて、今よりもっと交差していくためのアイデアとは?」というものでした。 前回の最後に、ゲストであるBIOMEさんに提示してもらった、以下の問いを踏まて、その答えを具体のアプリとして制作してもらうという、挑戦的なテーマになります。

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当日制作したアプリのご紹介

チルスポット

樹木から放つ嗅覚データを可視化するアプリ「チルスポット」。 「五感の中で嗅覚に着目したサービス」というアイデアで、写真に写った木がリラックス効果のある成分「フィトンチット」を一立法メートルあたりにどれだけ放出しているかを可視化します。

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アップロードした写真の中の植物を判定して、樹木フィトンチットを出すか計測し、マップ付近に石油工場(化学物質など人間が不快に感じる臭い成分を出す施設やもの)などないかまで確認します。

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総合的に判断したのち、そのエリアの「チル度数」を示してくれます。

生態系ネットワーク可視化アプリ

人間の普段の生活や行動と、生き物の暮らしが、ふだんどのようにして交差し、影響しあっているのか。特定の生物と人間の関係性をネットワークで視覚的に表現してくれるアプリ。生物は写真から判定もしくはテキスト入力で指定できます。

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また、ネットワークの可視化の機能に加えて、その生物が絶滅/増殖した場合のシナリオも予測してくれます。 システムマップ的に生き物と人間の関係を解き、私たちの想像力を養ってくれるアプリだと評価されました。

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街の緑マップ

撮影した植物の写真をアップロードすると、付近の生物の分布をマップ上で示してくれるアプリです。 緑のみならず、昆虫の存在までマッピングしてくれます。

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終わりに:第四回のあらすじ

残る四回目では、プロトタイプを実際に敷地で試し、検証を通してさらにブラッシュアップさせていくことで、制作のサイクルを回していきます。 #4 10月22日 15:00-18:00 Rapid Prototyping / Advancement|得られた知見を発展させ、具体の提案へとつなげる

「生き物視点」を通じて認識をアップデートするところから始め、それを足掛かりに新たな設計やデザインを生み出すこと、また、定量的・客観的な表現手法にも頼りながら、都市に実装していく上での実効性を高めていくこと。 本プログラムでは、生物多様性やインクルーシブに着目したデザインのプロセスを、各分野の最先端のゲストに導かれながら、全4回のシリーズを通して体験することができます。最終回 (第四回) の応募はこちらから。