難解な通信規格に多様なアイデアを掛け合わせ、開かれた進化を考える
通信規格Nessumは、既存の技術では届かなかったIoT社会の「スキマ」を埋める技術として、着実に導入が進んでいる。確かな技術力の一方で、その専門性の高さが新たな領域への広がりを阻んでいた。ASIBAは2024年からリブランディングに参画し、トークイベントの企画や「Nessum Award JAPAN 2026」の開催を通じて、技術のポテンシャルと多様なアイデアが出会う場をつくった。

FIG.1 © Tamao Nishiyama
1-ASIBAのやりたいこと|2-NESSUMのやりたいこと|3-学生・若手クリエイター|4-社員・研究員
DIAGRAM
1.ASIBAのやりたいこと
2.NESSUMのやりたいこと
3.学生・若手クリエイター
4.社員・研究員
Wi-FiでもBluetoothでもない[*1]。Nessumは、既存の配線や空気中の電力線を使って通信する国際規格だ。
今回ASIBAは、日鉄興和不動産・東朋テクノロジーとともに「NESSUM AWARD JAPAN 2026」を企画・運営した。LP制作やグラフィックの設計から、アワード全体の場づくりまでを担った本企画の核心にあったのは、Nessumという技術を専門家の外に開くという発想だ。「通信が届かなかった」「配線できなかった」という制約を、解決すべき欠点としてではなく、新たな目的を発見するための起点として読み替えること。そのために必要なのは、技術の内側を知らない人たちの想像力だった。

FIG.2 WEBグラフィック(酒川直己)
アワードには52組のアイデアが集まった。応募者の年齢は17歳から65歳まで。建築やデザイン系だけでなく、情報や機械といった工学や、これらに該当しない一般の人にまで多岐にわたる。最優秀作品に選出された「次世代宇宙探査のDX」をはじめ、養殖インフラ、獣害対策、 洋上風力発電、浸水・津波ハザードマップ、ハンガーラック[*2]など、それぞれの専門分野や日常生活と掛け合わせたアイデアが次々と現れた。
ASIBAが担ったのは、Nessumの技術を伝えることではなかった。LPのグラフィック、トークイベント、そしてアワードという3つを通じて試みたのは、ある技術と、その技術をまだ知らない人々とを出会わせることだ。どんな技術も、それを受け取る想像力なしには可能性を持てない。場を設計するということは、その出会いの条件を整えることにほかならない。

FIG.3

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FIG.6 事前に開催したトークセッション。「窓から始める通信デザイン」をテーマに、Nessumと竹中工務店の方と議論を行った。

FIG.7 ポスターグラフィック(酒川直己)
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